住宅展示場や見学会を活用しよう

注文住宅を立てる前に活用したいのが「実物の見学」です。
実際に建てられた住宅を見ることで、カタログや写真、人の話などからでは分からない部分について知ることができます。
今回は、住宅の実物が見られる場所と、見学時のポイントや注意点について説明します。

◯家造りを学ぶ場
家づくりのスタートは、広告やチラシなどの媒体の他に、住宅展示場を訪れるという人が多いです。住宅展示場で依頼先を決めたという人が半数以上というデータもあります。
しかし、家造りについて学べるのは住宅展示場だけではありません。他にもいろいろな場で実物を見たり、学んだりすることができます。

・住宅展示場
言わずと知れた定番スポットです。
ハウスメーカーや工務店のモデルハウスがたくさん展示されています。

・住宅見学会
モデルハウスではなく、実際にその建築会社で建てている家や建てられた家を見学するものです。
オープンハウスと呼ばれることも。

・セミナー、相談会
住宅ローンなどの資金計画や、家の間取りやプランの考え方や失敗例など、家づくりに関する様々な事柄を学べる場が用意されています。

・その他イベント
モデルハウスで開発されるイベントや、住宅に使用される木材の伐採の様子を見学できるツアーなど、一風変わったイベントも開催されています。

◯住宅展示場へ行く
住宅展示場では、様々なハウスメーカーや工務店のモデルハウスが展示されています。

住宅展示場のメリットは、いろいろな会社を一度に比較しやすいということです。
モデルハウスの雰囲気や出来栄えはもちろんのこと、得意分野や短所、スタッフの対応などを比べることができます。

住宅展示場を訪れる際に注意したいのは、モデルハウスの豪華さです。
モデルハウスは来場者を引き入れるために、見栄えがよく、豪華で魅力的に映るようにつくられています。内外装も設備もそのハウスメーカーで一番良いものを使用しています。
モデルハウスが気に入り、いざそのハウスメーカーで家を建てようと思っても、金額の問題で同じような家は建てられなかったとがっかりしてしまうことも多いです。

モデルハウスを見学する際は、見た目の豪華さに惑わされないように注意しましょう。標準の家はどのような雰囲気になるのか、設備などはどこまでが標準装備なのかしっかり確認しましょう。

また、住宅展示場にモデルハウスを建てられるのは大手だけだと言うことも覚えておきましょう。住宅展示場では、規模の小さい地元の工務店などについて知ることはできません。

◯住宅見学会に行く
実例を見学できるのが住宅見学会です。完成した住宅だけでなく、工事中の住宅の見学会も行われています。

・構造見学会
柱や梁など構造部分をみることができる見学会です。完成してしまうと見えなくなる骨組み部分について、実物を確認できます。

・建設途中現場見学会
工事中の住宅を見ることができます。基礎から断熱工事まで、様々な工事段階の見学会が行われています。

・完成見学会
住宅完成後、入居前の住宅見学会です。実際に建てられる家のイメージをつかむのにピッタリです。

・居住宅見学会
住宅が完成し、既に入居している住宅の見学会です。家具なども入るため、広さをつかむのにも良いです。

モデルハウスとは違い、実際に購入された住宅を見学できるのが強みです。
モデルハウスは豪華なだけでなく、土地の形や日照、立地などに左右されていません。しかし、普通住宅を建てる際には予算や土地、周囲の状況など様々な制約が存在します。
そうした制約に対し、どのような工夫をしているのかについて勉強することもできます。

施主やその住宅の担当者にも話を聞くことができるため、家造りの苦労や工夫など、生の声を聞くことができる良い機会です。

◯セミナー、相談会、イベントに参加する
セミナーや相談会は飛び入りで参加できるものもありますが、しっかり話を聞く予定なら事前に予約を入れておくと安心です。

特に参加しておきたいのは、住宅ローンや資金にまつわる説明会やセミナーです。住宅購入のためには避けて通れない道ですが、自力で勉強するのは大変です。専門家の話を聞いたり、相談に乗ってもらったりしたほうがずっと手っ取り早いです。注文住宅の資金計画についてのセミナーは、いろんな会社で行われており、インターネットでも開催状況をチェックできます。

小さい子どもがいる場合は、セミナーやイベント参加時に託児スペースや子どもが遊べる場所があるかどうかもチェックしておきましょう。
ハウスメーカーなどが行うイベントには、子どもでも参加できるものや楽しめるイベントも多くあるため、家族揃って参加するのも良いでしょう。

◯見学から見えてくるもの
住宅の見学やセミナーに参加すれば、写真や文章で知るよりもずっと多くの情報を得ることができます。
その会社の得意分野や苦手な部分、価格や力を入れているポイントなどを、比較したり、五感で感じたりすることで、自分にとってベストな選択肢を見つけるのに役立ちます。
見学会などは、できれば一度ではなく複数回参加した方が、自分の中でイメージを固めやすくなります。

また、数値や数字だけでなく、フィーリングも大切にしてください。
住宅の雰囲気だけでなく、その会社や担当者の雰囲気も大切な情報です。

担当者は家づくりの窓口となり、施主と現場をつなぐ役割をはたします。担当者との相性が悪いと、連絡事項が上手く伝わらず、上手く家づくりが進みません。最終的には担当者の印象や人柄で建築会社を決めたという人も少なくありません。

どんな家がつくりたいのか、どこなら理想の家づくりができそうなのか、それらを知るためには積極的に学ぶ姿勢が重要になります。

注文住宅でありがちな失敗は?

自由な間取りや自分好みにカスタマイズできるのが注文住宅の強みです。
しかし、出来上がった家を買う建売住宅とは違い、家が完成するまで失敗に気が付けないことも多いです。実際、多くの人が完成した住宅に何かしらの後悔を抱えています。

よく「失敗から学べ」と言われますが、注文住宅の購入は一生に一度あるかないかで、失敗はなかなかできません。そこで参考にしたいのが、既に注文住宅を購入した人の体験談です。
注文住宅のよくある失敗例を知ることで、同じ間違いをしないようにしましょう。

◯開放感がありすぎて冷暖房の効率が悪い
憧れの広いリビング。高い天井や吹き抜け、大きな窓など開放感のある空間は魅力的です。
しかし、広い空間で上手く冷暖房を効かせるには工夫が必要です。何の対策もせずにいると、夏は熱く冬は寒く、光熱費ばかりかかるリビングになってしまいます。

広いリビングを作る場合は、設計段階で必ず空気の流れを考えるようにしましょう。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れる性質があります。冷暖房が必要なときだけ使える可動式の間仕切りや、シーリングファンの設置などを検討しましょう。
また、空間は間取りや見せ方次第で広く見せることもできます。無理に広い空間は作らず、設計や視線の誘導などの工夫で対応するもの一案です。

◯生活感が丸見えになってしまう
壁の少ないリビングダイニングや、ダイニングと一体になったキッチンはおしゃれで開放的です。
オープンキッチンやアイランドキッチンの人気も高いです。

しかし、リビングやキッチンは生活感が強くでてしまうスペースでもあります。
生活感を隠しにくく、ゴチャゴチャした印象になりやすいです。

特に、玄関から生活空間までの間に壁や間仕切りがない場合は注意です。宅配便や来客が来た時に、家の中が丸見えで恥ずかしい思いをすることになります。

家の中だけの視線だけではなく、外から見た時にどう見えるかも重要な観点です。壁やカーテン、仕切りなどを作り、視線がまっすぐに通らないようにする工夫が必要です。
また、オープンキッチンの場合は、手元を隠す壁を設置することで、生活感を抑えることができます。

◯外からの視線が気になる
外から家の中が見えるのは玄関だけではありません。
窓にも注意です。

大きな窓は家の中を広く見せるだけでなく、光を取り入れて光熱費を節約することにもつながります。

しかし、窓の配置には注意が必要です。隣の家や道路からの視線が気になり、せっかく作った大きな窓も閉めっぱなしになってしまうかもしれません。

隣家との窓が近いと、視線だけでなく音なども聞こえやすくなります。窓の位置を決める際は周囲の環境にも配慮し、窓の位置をずらしたり、目隠しを設置したりするようにしましょう。

◯匂いが広がってしまう
図面では分かりにくいトラブルが、この匂いの問題です。

リビングと一体化したキッチンは匂いが広がりやすく、部屋のドアを開けたままにしていると、調理や食べ物の匂いが家じゅうに充満してしまいます。
また、匂いは低いところから高いところに広がりやすい性質があるため、2世帯住宅で1階の生活臭が気になってしまうというケースも多く報告されています。

設計の段階で、空気の流れをシミュレーションし、匂いが広がりにくくする工夫が必要です。仕切りを作る、換気扇を設置するなどの対処で匂いの広がりを抑えることができます。

◯ドアがぶつかる
部屋のドアや収納の扉、引き出しなど動くものについては、動かしたらどうなるかというシミュレーションも必要です。

ドアとドアがぶつかる、引き出しが扉とぶつかるなどのミスは、設計者も気をつけるようにしていますが、仕様変更を重ねるうちに問題が発生してしまうこともあります。任せきりにせず、自分でも確認しましょう。

また、ドアとドアだけでなく、周辺の状況にも気を配りましょう。ドアを開けると電灯のスイッチやコンセントが隠れてしまうようでは不便です。また、通行妨げになるようなところにトイレのような開閉の多い扉はないか、通路を塞いでしまうことはないかなどにも気をつけましょう。

◯不便な収納
部屋の中をすっきりみせるのに欠かせないのが収納スペース。できるだけたくさんの収納が欲しいところです。

しかし、場所や作りが悪いとせっかくの収納スペースも持て余してしまいます。
奥行きがありすぎたり、高さがありすぎたりなど、頻繁に出し入れしたいのに手が届きにくい収納は使いにくいです。反対に、奥行きが足りないために、入れたいものが入らないこともあります。
余ったスペースを利用するために収納にしたが、変わった形をしているせいでカラーボックスや衣装ケースが入らず、使いにくいというケースもあります。
また、ロフトを作ったのは良いものの、重い荷物を持って梯子を昇降するのが難しく、思ったような使い方ができなかったという感想もよく耳にします。

収納を作る際は、何を入れるのか、どれぐらいの頻度で出し入れするのかを想定した上で造ることが重要です。出し入れの多いものは開けやすく、手の届きやすい奥行きの少ない収納が便利です。布団や衣装ケースをしまう場合は、90cm程度の奥行きが必要になります。
市販のカラーボックスや収納用具が使いにくい場所については、作り付けの棚板を付けてもらうと便利です。

◯コンセントの位置が悪い
コンセントをたくさん用意したのは良いものの、必要な所に足りなかったり、反対に使わない所にコンセントがあったりするというのもよくある失敗です。

延長コードは見た目も悪く、掃除がしづらく埃がたまる原因にもなります。家電のまわりをすっきりさせるためにも、家電の位置はきっちりとシュミレーションしましょう。

とくにテレビ周りはレコーダーやゲーム機、インターネット回線用の機器など電化製品が集中しやすいため、多めにコンセントを用意しておくことをおすすめします。

◯不要な設備がある
ジェットバスやサウナ、食器乾燥機などの設備を導入しても、使ったのは数回だけで、あとは手入れや利用が面倒で止めてしまったという失敗もよくあります。

住宅展示場やカタログなどで設備を見ていると、どれもこれも魅力的に見えてしまいがちですが、実際に生活してみるといらなかったというケースは意外と多いです。設備の中にはあとから導入できるものもあるため、どうしても必要なもの以外は導入を一旦見送るのも良いでしょう。

◯イメージと違う
思っていたよりも家が平凡、つまらない地味な家になってしまったという感想もよく聞きます。

住宅展示場のモデルハウスに憧れて、ハウスメーカーを決めてしまう人は少なくありません。
しかし、モデルハウスはお客さんを呼び込むために非常に立派につくられています。設備も内装も最上級のものを使用しているため、同じものを建てようとすると非常にお金がかかります。現実的ではありません。

実際にそのハウスメーカーで建てられる住宅を知りたいのであれば、完成見学会に参加するのがおすすめです。モデルハウスとは違い、等身大の住宅を知ることができます。